大梵天王
<御書辞典>
だいぼんてんのう (大梵天王) Mahã-brahman(マハーブラフマン) 仏法守護の神で娑婆世界の主。 大梵・梵天ともいう。 色界四禅天の中の初禅天の王。 淫欲を離れているため梵(ぼん)といわれ、清浄・淨行と訳す。 名を尸棄(しき)といい、仏が出世して法を説く時には必ず出現し帝釈天と共に仏の左右に列なり法を守護する。 バラモン教では万物の根源法である梵の神格化されたものとされ、宇宙の造物主として崇拝された。
--> 色界、娑婆世界、諸天善神 (参考文献)序本第一[法]122, 聖愚問答抄下[御]498
</御書辞典>
娑婆(シャバ): | sahã. 能忍域または堪忍と訳される。 この世界には怨嫉多きも、聖者は疲れ倦(う)むことなく、 能く堪忍して教化を行うがためである。 或は又、衆生が煩悩を忍受するがために、この世界を忍土ともいう。 即ち釈尊の教化を受ける世界。 |
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色界: | 三界(欲界・色界・無色界)の一つで、色界には初禅・二禅・三禅・四禅の四地がある。 |
梵(ボン): | もと、木の上を風がふきわたる意を表す。のちにサンスクリットの異称、梵語 brãhmana の音訳字にあてる。風がふきわたる。清らかで、けがれのないさま。«出典:角川 新字源» |
尸(シ): | しかばね。かばね。なきがら。屍と同義語。 |
<The New OXFORD Dictionary of ENGLISH>
Brahma /ˈbrɑːmə/
- The creator god in Hinduism, who forms a triad with Vishnu and Shiva. Brahma was an important god of late Vedic religion, but has been little worshipped since the 5th century AD.
- another term for Brahman (sense 2)
</The New OXFORD Dictionary of ENGLISH>
Hinduism:ヒンドゥー教 triad:三つ組、3人組 Vishnu:ヴィシュヌ Shiva:シヴァ Vedic religion:ヴェーダの宗教(バラモン教) worship:崇拝する term:用語
帝釈天
<御書辞典>
たいしゃくてん (帝釈天) 能天帝のこと。 仏法を守護する諸天善神の1人。 釈迦提婆因陀羅(Śakra (シャクラ) Devãnãm(デーヴァーナーム) Indra(インドラ))の訳。釈提桓因・天帝釈ともいう。 インド神話上の最高神で雷神であった。 仏教では梵天王(ぼんてんのう)と共に護法の神となり、須弥山に住み四天王を従えて忉利天の主として三十三天を統領する。 釈迦の修行中、種種に姿を変えてその求道心を試みたが、成道後は守護を誓った。 法華経序品では、眷属2万と共に法華経の会座に連なった。
-->四天王、忉利天 (参考文献)序品第1[法]121, 法華玄賛巻2本[大]34-675, 一代五時鷄図[御]628
</御書辞典>
須弥山: | Sumeru(スメール) 古代インドの世界観で世界の中心にあるとされる山。長阿含経等にある。 |
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四天王: | 須弥山の中腹の東西南北に住する持国天(東)・広目天(西)・増長天(南)・多門天(北、毘沙門天ともいう。)の四天王。 |
忉利天: | とうりてん 忉利は、 Trāyastriṃśa (三十三の意)の音訳。六欲天の第2。 高さ8万由旬の須弥山の頂上にあり、帝釈天の住処である喜見城(善見城)を中心にして総数33の諸天からなるので三十三天ともいう。 忉はりっしんべんに刀と書いてトウと読み、うれえるの意味。 |
鳩摩羅什(くまらじゅう)訳 妙法蓮華経序本第1より抜粋。
爾時釈提桓因。与其眷属。二万天子倶。復有名月天子。普香天子。宝光天子。四大天王。与其眷属。万天子倶。
自在天子。大自在天子。与其眷属。三万天子倶。娑婆世界主。梵天王。尸棄大梵。光明大梵等。与其眷属。万二千天子倶。
爾(そ)の時に釈提桓因(しゃくだいかんいん)、其(そ)の眷属(けんぞく)二万の天子と倶(とも)なり。
復(また)名月(みょうがつ)天子・普香(ふこう)天子・宝光天子・四大天王あり。其の眷属万の天子と倶なり。
自在天子・大自在天子、其の眷属三万の天子と倶なり。娑婆世界の主梵天王・尸棄大梵・光明大梵等、其の眷属万二千の天子と倶なり。